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2018年09月03日つばき谷の小道

絆と信頼

社会関係資本(ソーシャルキャピタル)とは何だろうか?

稲葉陽二著「ソーシャルキャピタル入門」によれば、人々が他人に対して抱く「信頼」、それに「情けは人の為ならず」「お互い様」「持ちつ持たれつ」といった言葉に象徴される「互酬性の規範」、人や組織の間の「ネットワーク(絆(きずな))」ということになる。

ソーシャルキャピタルによって、集団としての協調性や、「ご近所の底力」といった、市場では評価しにくい価値が生み出される。とも言っている。

これまでこのブログ(つばき谷の小道)で書いてきた、夏休み限定子どもの集いの場である「智者が池子ども食堂」や、50年前の障害児の「あおぞら教室」などが、ソーシャルキャピタルというものだろう。

この二つのソーシャルキャピタルの共通点として、大学生のボランティア活動があげられる。

智者が池子ども食堂では5名の島大生が活躍した。

夏休みの宿題をこなすだけではなく、美術を専攻している学生の提案により、50分間のお絵かきをして子どもと学生が楽しんでいる。

大学で学んでいることを、実践を通して深めているだけではない。

「子どもから教えられた、子どもから先生と呼ばれた、先生に必ずなるぞ!」と感じた大学生は一人ではないだろう。

一方、親たちも学び成長する。

「あおぞら教室」では、学生たちと障がい児が別室で遊んでいる間、親たちによる話し合いが進んでいた。

子育ての悩みを語り合い、嘆きあい、励ましあって、子どもとともに生き抜くことを心に深く刻んでいた。

ある親は「うちの子が、世界で一番障がいの重い子」と思っていたが、そうじゃない「もっと重い子がいる、お互い助け合わねばならない」とも語っていた。

ソーシャルキャピタルは、「信頼」「互酬性の規範」「絆」によって成り立っている。

そしてそれは、それにかかわる人々の人間としての成長につながっているといえる。

 

隠岐の島町の初盆、御仏前のシャーラ船。       8月16日の早朝、港から送られます。

 

 

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